「”重度”訪問介護ってなに?どうやって始めるの?」

訪問介護で働く

「”重度”訪問介護ってなに?どうやって始めるの?」

ケアマネ介護ライターのいぶたろうです。今回は訪問介護、、だけどちょっと特殊な「重度訪問介護」を取り上げていきます!
実はあまり知られてないのですが訪問介護の中でも長い時間入れる分、総額給与が高いことも。早速見ていきましょう!

目次:
①重度訪問介護ってなに?訪問介護とどう違うの

②気になる働き方やお給料は・・・

③重度訪問介護ヘルパーに必要な資格は

「①重度訪問介護ってなに?訪問介護とどう違うの」

みなさんは重度訪問介護って聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
“重症な人を扱っている、専門性が高そう、訪問介護の一種、、”

こんなイメージをお持ちの方、ほぼ正解です!
重度訪問介護はご自宅にいる利用者の方のお宅を訪問し、介護や生活援助、見守り等を行う訪問ヘルパーのお仕事です。
その最大の特徴は長時間の介護が必要な利用者さんが多いということ。ALSという筋肉が動かなくなる病気や高齢者にも患者の方がいるパーキンソン病等の難病や、事故により脊髄損傷されて全身が動けなくなった肩など、障害区分が高い人がこの重度訪問介護を利用できる仕組みとなっています。

高齢者の訪問介護サービスと重度訪問介護(以下重度訪問)の違いは、下記があります。

・訪問介護は介護保険サービス ⇆ 重度訪問は障害福祉サービス
訪問介護は高齢者を対象にした介護保険サービスであり、介護保険法に基づき基本的には65歳以上(条件に当てはまる場合は40歳以上)を対象にしたサービスですが、重度訪問は年齢ではなく障害区分が高い人(区分4〜6)を対象にしており障害者総合支援法に基づいています。

・訪問介護は1回あたり短時間利用 ⇆ 重度訪問は1回あたり長時間利用
訪問介護は1回あたり1時間程度のサービス提供が多いのに対して、重度訪問は10時間や場合によってはそれ以上の長時間を1訪問で行います。夜勤として就寝師のサポートから起床までを利用者さん宅で過ごすこともあります。

・訪問介護は吸引や経管栄養が必要な現場が少ない ⇆ 重度訪問は吸引や経管栄養が必要な現場が一定数ある
訪問介護は要介護度が低い方もある程度いるのに対し、重度訪問介護は難病や重度の症状をもつ方も多いです。そのため、自発呼吸や嚥下(飲み込むこと)が困難だったりして痰の吸引や胃ろうという胃にチューブを繋いで栄養を入れる経管栄養が必要な方が一定数います。重度訪問では医療行為の研修と実地研修を経てこれらの吸引や経管栄養を実施する場合があります。

 

 

「②気になる働き方やお給料は・・・」

身体障害や難病、精神障害、知的障害といった症状をもつ利用者さんを対象に、パーソナルケアに近い形で、夜間も含め、利用者さんの介護だけでなく調理や掃除といった生活援助、吸引や経管栄養などの医療行為や見守りを行います。

例えば重度の身体障害や難病の場合、ご自身で上体を起こしたり歩行が困難ということがあるので食事の調理や食事介助、排泄介助や体の向きを変える体位変換をしたり、洗濯や掃除といった生活に関わる部分も支援します。

短い場合は数時間程度のこともありますが、多くの場合、8時間、12時間等、長時間入る形が多く、日中の場合、例えば朝8時頃お昼ご飯から夕ご飯までの支援を行い、20時に退勤する形です。夜勤の場合は22時から訪問し寝る支度を整え、利用者さんが就寝の間は見守りや家事などを行い起床支援をして朝10時に退勤するような形です。

さて、気になるお給料は。。。これも住んでいる地域や重度訪問事業所によって異なってきますが、日勤帯で時給1100〜1500円、夜勤帯で1300円〜1800円程度のところが一定数あります。長時間勤務ができるために、例えば夜勤1600円の事業所で夜勤を週4日12時間行った場合以下のような月給になります。

・1600円✖️12時間✖️週4日✖️月4週 = 約31万円

安定して長時間入ることができれば、介護職の中でも比較的高い給料ですね。

 

「③重度訪問介護ヘルパーに必要な資格は」

さて、そんな重度訪問ヘルパーを始めるにはどんなことをすれば良いのでしょうか。重度訪問ヘルパーは正式名称を”重度訪問介護従業者”と言います。この従業者になるためには、資格が必要で介護の資格として初任者研修以上の資格を持っている人は重度訪問ヘルパーとして働くことができます。無資格の人でも”重度訪問介護従業者養成研修”を受講することで働くことができます。

ただし、吸引や経管栄養といった医療行為は”3号研修”と呼ばれる専用の講習を受けた上で、個別利用者宅にて実地研修を修了することで実施ができるようになるために、上記資格に加えて受講する人が多いです。

【重度訪問ヘルパーとして働ける資格】
・重度訪問介護従業者養成研修、初任者研修、実務者研修、介護福祉士

※加えて医療行為を行う場合は、3号研修や重度訪問介護従業者養成研修(統合過程)で医療行為の研修が必須

 

このように、あまり知られてないけれど実は専門性もあり給与も悪くない重度訪問介護。スキルアップやキャリアの選択肢として考えてみるのもいいかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました